
風の強かった翌日、
桜の小枝をこっそり拾って来ました。
気温はまだ低くても、空気の中に春を感じるようなこの頃、
桜の枝からは、どのような色彩が出てくるだろう、と。
(年末には、黄色味の強い、やわらかな茶色でした。)
時々、何かの染液を煮出してみても、
時間がないとか、色が出ていないという理由で、
染液を捨ててしまうことがあります。
今回は、夜中に染液を煮詰めながら、
微かに変化していく、透明な深い色に、見入ってしまいました。
樹木の血液かと思うような、赤を含む色でした。
(写真には全く上手く写せず。)
他にやるべきことは沢山あるのに、、、
晴れた日を選んで、久しぶりの草木染めです。

素人の染色も、家庭料理と同じで、
一度正当な流れを覚えてしまえば、
それなりには出来上がるものと思っています。
味付けが少し違うのも、染め上がりにムラがあるのもご愛嬌です。
桜でピンク色を染めてみたいという方、結構いらっしゃるのかなと思います。
植物はその地域や、たった数日という時間で状態が変化するようなので、
必ずではありませんが、
もしかするとちょうど良い時期なのかもしれません。
お試し下さい。
ちなみに、今回染めたのは、古布の麻布(手績み)と絹の紬糸でした。

久々に展覧会を観てきました。
文化学園服飾博物館「時代と生きる 日本伝統染織技術の継承と発展」、
英題 Kimono:Japanese Textiles from Tradition to Technology
(2月14日で終了。。)
型染、友禅、絣、絞り染めなど、日本の代表的染織技術が、
時代と共に変容してきた様を、とても分かりやすく観られる展覧会でした。
作られる行程や、人の手と道具や機械の関わり方が異なれば、
仕上がるものも、全く別々の雰囲気を放ちます。
英題を直訳すると、伝統から科学へ。となるのでしょうか。
途方もなく手のかかる行程を経て、作られた布。
機械でペシャンと作ることの出来る布。
安価なものは、流通するには勝ります。
伝統を受け継いでいくことは、現代にも、いつの時代にも、
計れない困難や孤独があるんだろうと、観終わってから思いました。
技術の発展や効率化を、ただ非難する気持ちはありませんが、
手仕事と真摯に向き合っている作り手のものが、
世の中の、あまり見えにくい所に隠れている、ということは
いつも覚えておきたいです。
そしてやっぱり、本物を知りたいです。
日曜日は有楽町の大江戸骨董市です。
ご期待にはかなわないかもしれませんが、
昔々の、無名の人の手仕事で作られた、表情豊かな布や美しい布、
時の経過を纏った布などをご用意しておきます。

織物は経糸と緯糸で出来ています。
経緯に同じ糸を用いることもあれば、
経糸と緯糸で、別の素材の糸を組み合わせること(交織)もあります。
(さらに、色、撚り具合、細さなど、組合せは無限に、、)
私が布に惹かれる理由のひとつは、
そのような最小の単位(糸1本)から形成されている、
繊細で奥深い意識です。
(うまく言えない。。)
2月1日の大江戸骨董市へ、写真の布を持っていきます。
左側から
白:紙と絹の交織、白:麻と絹の交織(もしくは麻と綿?)、
茶:麻の大きな布(10巾もあります)
緑:葛布、生成に白縞:芭蕉布
芭蕉布は茶色の縞もあります。
風呂敷は180cm程の麻布(穴あり)、
昭和の白い綿布も、新しく入れました。

こちらは古い蚊帳についていた和更紗。● Sold
この他にも色々持っていきます。道具も少し。
どうぞよろしくお願いいたします。

染織品で、ほぼ確実に時代が特定できるもの、というのは、
年号が入っている場合や、
その時代特有の技法が使われている場合(江戸の刺繍など)、
年号入りの裂帳や文献にある裂と、全く同じという場合でしょうか。
そして、雰囲気や風合いを頼りに。
(それは、時代あるものを、数多く見ている経験がないと言えません。)
時代がわかるものが、僅かでも手に入るのは嬉しいことです。
古いことが証明出来るからというよりは、
そのひとつから、また様々な目安が図れるからかもしれません。
ちなみに、教草が江戸のものを尊重しているのは、
明治初頭以前までが、日本で染織の手仕事と自然の力が、
全般的に保たれていた、最後の時だからです。
(効率化の始まる前、という意味です。)
写真は縞の布と型染め、木綿と麻の交織生地の着物。
こちら以外にも、18日 大江戸骨董市 では、
江戸の美しいブルーなどを並べる予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。

布のはなし〈絹・紬〉 テキストを入れました。
写真の小袖裂は、袖が離されていますが、合わせると一着分あります。
江戸期のものであるのは間違いありませんが、
何故このような形状なのか、これを縫箔と呼んで良いのか、
わからないままでいます。
(全体も詳細もわからない写真で、申し訳ありません。)
1月4日の大江戸骨董市では、こちらの裂を含め、絹を多めに並べます。
年内の大江戸骨董市in有楽町国際フォーラムが終了しました。
お忙しい中お立ち寄り、お買い上げ下さった皆様、
どうもありがとうございました。
出店を始めてから、約半年が経ちました。
毎回反省しつつ、でも気にしすきず、
いやいや仕入れのほうこそ反省が多いかもしれない、と思ったり。
そんな中、布や古いものを選んでいって下さる方がいるということは、
何よりも励みになりました。
一度でもお立ち寄り下さった皆様、
改めまして、どうもありがとうございました。

教草でほぼ毎回用意してきたのは、
一見何の特徴もない、白い無地の麻布でした。
糸が手で作られている(手績み)とか、
日本で麻は、木綿よりずっとずっと長い歴史があるとか、
素材はリネン(亜麻)とは違い、苧麻(ちょま)か大麻(ヘンプ)だとか、
よくぞそんな怪しい説明をいきなり聞いて、選んで行って下さったと、
有り難く思っています。
今頃、後悔していらっしゃいませんか?
大丈夫でしょうか?
例えば、骨董市などで見つけることのできる、藍色の木綿布。
日本の布を代表しているような存在です。
それは手紡ぎ糸の、本藍染であればなお良し。
そして大袈裟にも聞こえますが、
私は麻布(白の晒布)も、日本の染織品を代表する一枚だと教わりました。
そしてごく簡単に言えば、
それは手績みの、自然の晒しによる白であれば、なお良し。
後悔どころか、得意になってください。
何でもない布は、何でもなくありません。
手をかけて作られ、織り上げられた、
巷の紡績糸製品の本家本元?、ご先祖様です。

もちろん、これからも麻の晒布以外に、様々な素材の、日本の染織品を並べていきたいと思っています。
年内最後の出店は、28(日)乃木神社骨董蚤の市 、9時から16時までの開催です。
どうぞよろしくお願いいたします。
〈乃木神社骨董蚤の市へのアクセス〉
千代田線「乃木坂」駅1番出口すぐ(目の前)。
日比谷線・大江戸線「六本木」駅徒歩約8分。
半蔵門線・銀座線・大江戸線「青山一丁目」駅徒歩約8分。

背高く延びた野生の草で、草木染めをしてきました。(「セイタカアワダチソウ」)
植物染めは、勿論どなたの自宅でもできます。
が、生命力溢れる野生の草々で染める機会があったため、参加してきました。
染料用の草は裏山で採取したのですが、途中の道で、
日本の染織界にも登場する植物いくつかが、自生している姿を見ることが出来ました。

「葛(クズ)」このように地面を這っている、やや太いものが糸の素材に適するそう。
(ただし糸づくりはそう簡単なものではありません、おそらく。)

「薮苧麻(ヤブマオ)」イラクサ科

「苧麻(チョマ、カラムシ)」イラクサ科
注:山に自生している状態のため、交配もしているそうです。
「赤苧(アカソ)」も教わったのですが、写真に失敗しました。。

数時間とはいえ、植物に囲まれた場所で、ゆっくり滞在できて良かったです。
主催された方は、本当に美しい糸や布を作ることのできる方です。(←気になった方はお声がけください)
以上、またしても古物とは関係のないご報告でした。